がん遺伝子治療について

がん遺伝子治療とは?
がんと遺伝子の関係が徐々に明らかになり、世界各国で始まっている治療です。治療内容としては、がんのメカニズムの根本に働きかけ、正常細胞を傷つけることなく、がん細胞の変異・欠損した機能を正常に修復する治療なので、適応範囲も広く、がん末期の患者様にも適応可能な治療として大きな期待が集まっています。
従来の標準治療と比べての特徴は?
現在、確立されているがんの標準治療法は、外科手術、放射線療法、化学療法です。これらの治療では正常な細胞も傷つけてしまうため、苦痛が伴い「つらい」イメージがありますが、遺伝子治療においては、治療による苦痛や副作用はありません。
さらに通常の生活をしながら通院による治療も可能であったり、抗がん剤や放射線治療を継続しながら、遺伝子治療を加えれば、相互作用により、高い効果を得ることもできるなど多くの特徴があります。 身体の状態が悪くて標準治療が出来なかった患者様にも新たな選択肢となっています。
そもそも遺伝子治療は、なぜ、がんに有効なのですか?
がんは遺伝子の損傷により起きる病気で、その遺伝子を修復する治療だからです。
本来、細胞はダメージを受けても自己修復やアポトーシス(自死)をさせることができるので、ダメージを受けて損傷した細胞を放置することなく、身体の機能に影響を及ぼさないように制御されています。しかし、その指示を行う遺伝子も同時にダメージを受けてしまうとこれらの機能をうまく行うことができません。つまり、この適切な制御が行われないまま分裂や増殖を繰り返す状態ががんなのです。
「がん原遺伝子」や「がん抑制遺伝子」について教えてください。
「がん原遺伝子」が細胞増殖促進のアクセル役、「がん抑制遺伝子」が細胞増殖抑制のブレーキ役となり、増殖細胞周期をコントロールしています。したがって、「がん原遺伝子」や「がん抑制遺伝子」が壊れてバランスが崩れると細胞は制御を失い暴走することになります。
遺伝子治療では、どのようにがん細胞の増殖を停止するの?
多くのがんの根本的な原因は、遺伝子の変異です。遺伝子の変異によりがん原遺伝子とがん抑制遺伝子のバランスが崩れ、細胞が無限に増殖するようになったのが「がん細胞」です。
遺伝子治療では、まず…
がん細胞の増殖を促進している「がん原遺伝子」の働きを抑えます。
がん細胞の増殖を抑制する「がん抑制遺伝子」を導入し、その機能を回復させます。
これらを同時に行うことで、それぞれの働きを正常化し、バランスを取り戻すのが「がん遺伝子治療」になります。つまり、細胞の増殖サイクルを止められたがん細胞は、本来のアポトーシスの仕組みが働き始め、結果として腫瘍が小さくなることが期待できるわけです。
遺伝子をどうやって細胞にとどけるのですか?
プロモーターとベクターの働きで、がん細胞の核内に必要な製剤を送り込みます。

■ 遺伝子の運び屋「ベクター」

治療では、まず安定的に細胞の核内に入り込むことができ、かつ安全性の高いベクターを用います。ベクターは、がん遺伝子治療においては様々な遺伝子をがん細胞へ送り込むための運搬体として使われています。

■ がん細胞だけに対し選択的に発現させるための「プロモーター」

がん細胞だけに対し、選択的かつ効率的にこの製剤を送り込むために、hTERTプロモーターを用います。遺伝子にはプロモーターと呼ばれる遺伝子の発現を抑制する配列がついており、そのプロモーター次第で遺伝子を特定の細胞でだけ発現させることが可能となります。
hTERTプロモーターは、普通の細胞では殆ど発現がなく、がん細胞において発現が多くみられるテロメラーゼの発現を抑制しているプロモーターです。

■ Cdc6の発現を抑制する技術「RNA干渉」

Cdc6の発現を抑えるにあたってはRNA干渉という技術を用います。RNA干渉とは、標的とする遺伝子に対応する特殊なRNAを細胞内に導入すると、遺伝子の発現が抑制される現象です。この技術を利用してCdc6の合成に関わるmRNAを破壊し、その結果Cdc6をノックダウンさせます。

「がん遺伝子治療」受診の流れを教えてください。
治療の流れは以下の通りです。

1.治療説明と医療相談

当医院の専門コーディネーターが事前にご相談を承ります。ホームページの「お問い合わせ」コーナーよりご相談ください。
海外の患者様の場合、当医院と医療連携している医療機関にて、まず、医師にご相談ください。(※医療連携している医療機関はお問合せください)

2.患者様に合わせた治療プランの作成、治療同意

治療は基本的に通院で行われます。点滴を基本としながら、患者様の状態によって、様々な投与方法をより効果的に組み合わせて行っていきます。腫瘍の部位や大きさにより治療可能な方法は異なります。
治療は1クール5回程度が標準的です。副作用が少ないため、病態によっては集中的に治療を行う事も可能です。
患者様の全身状態を考慮したうえで、無理のない治療計画が立てられます。患者様およびご家族の都合をお伺いしながらプランやスケジュールを作り、より効果的に治療を行っています。
ご費用の提示も行い、治療同意をいただきます。

3.治療

1クール3〜5回程度(海外の患者様の場合、病状や来日日程によります)。

4.検査や治療の評価

画像検査や血液検査の結果をもとに治療の評価をしていきます。多くの場合は、すでにこれらの検査を行っている場合が多く、過剰な検査を防ぐために、医師が特別に必要と認めた場合以外には新たな検査は行っておりません。(別途ご希望により手配も可能です)
必須ではありませんが、多角的な視点からの治療評価のために、オプションで遺伝子検査も行うことができます。

コンビネーション治療について教えてください。
コンビネーションによる治療は、以下の通りとなります。

■ コンビネーションによる治療

患者様のご要望により、標準治療とのコンビネーション治療なども提案しています。抗がん剤や放射線治療との併用の場合、遺伝子治療と併用することでその効果を増強することが可能です。また、これらの投与量や照射量を低減し、副作用を大幅に軽減します。

■ 抗がん剤治療との併用について

抗がん剤と遺伝治療を併用することで、抗がん剤の投与量を減らしても効果を得ることが可能となります。これまで、病状や副作用の問題により、抗がん剤の適用が出来なかったケースでも抗がん剤治療が可能となります。また、遺伝子治療を組み合わせることにより、がん細胞に耐性が生じるのを防ぎ、長く効果を得ることができます。

■ 放射線治療との併用について

遺伝子治療により投与される遺伝子が、放射線によって傷ついたDNAを修復し、副作用を軽減します。放射線治療後の遺伝子治療も有効です。

免疫細胞療法について

「がん免疫細胞治療」とは?
日常生活に不都合のない健康がそのまま維持されるのは、常に発生している異常細胞が、免疫細胞によって排除され続けているからです。そのため、がんを抑えるには、何らかの方法で免疫細胞の働きを強める必要があります。
免疫細胞を患者様の血液から採取し、専門の培養加工施設で増殖・活性化することで、細胞数を大量に増やしたり、機能を強化するなどした上で体内に戻し、がん細胞への攻撃をうながす治療です。三大療法(外科手術・抗がん剤・放射線)との併用による相乗効果、集学的治療の基盤となる医療として今最も期待されています。
がん免疫細胞治療の特徴は?
がん免疫細胞治療の特徴は以下の通りとなります。
  1. 副作用がきわめて少なく、QOL(生活の質)を維持する。
  2. 抗がん剤や放射線療法との併用で相乗効果が期待できる。
  3. 手術後の補助療法として、再発予防効果が示されている。
  4. 身体にやさしい治療であり、進行がんの方も受診できる。
    また、血液がん(白血病、T細胞型の悪性リンパ腫など)を除く、ほぼ全てのがん腫に適応。
  5. 基本的に外来通院による治療であり、入院の必要がない。
  6. 再発予防の役割を担う。

QOLを維持しながら微小ながん細胞を攻撃できるという点で、手術後のがんの再発予防に免疫細胞治療は大きな役割を果たすことが期待できます。
実際に、多くの研究施設の研究により、手術後に免疫細胞治療を行うことで再発が減少し、生存率が高まったという結果が報告されています。

免疫細胞治療としては、どんなものがありますか?
免疫細胞治療は、細胞工学や分子免疫学など最先端科学に基づいた先進的な治療です。
血液中には免疫にかかわるさまざまな細胞が含まれおり、それぞれがんに対する働きや役割が異なります。
また、一人ひとりの顔が違うように、がん細胞も様々な個性を持っています。
免疫細胞治療は、その個性にあわせ、個々の患者様に適した「個別化医療」として行うことが可能です。
主な免疫細胞治療としては、
  • ・活性化自己Tリンパ球治療(CD3-LAK治療)
  • ・NK細胞治療
  • ・樹状細胞治療(DCワクチン治療)
  • ・NKT細胞治療

があります。

現在注目が集まってきたNKT細胞治療とは?
NKT細胞は、自然免疫系のNK細胞と獲得免疫系のT細胞の両方の性質を持つという他の免疫細胞には見られない特徴をもっており、注目が集まっています。
NKT細胞は、T細胞レセプターとNK細胞レセプターを同時に発現しており、第4のリンパ球として位置づけられています。
このNKT細胞は、血液中に占める割合が非常に少なく稀少ですが、抗腫瘍効果をはじめとする免疫作用できわめて重要な役割を持っていることが判明しています。
このNKT細胞を増殖・活性化させることができれば,樹状細胞をはじめ,自然免疫系と獲得免疫系の両タイプの免疫細胞を活性化でき,きわめて効率的で強力な抗腫瘍効果を発揮できることがわかってきました。また、このNKT細胞のがん細胞に対する殺傷能力はNK細胞よりも強力であるということも判明しています。抗腫瘍効果においてオールマイティな特に優れた免疫細胞といえます。
近年の研究により、このNKT細胞を特異的に活性化する物質として、糖脂質α-ガラクトシルセラミドをNKT細胞に認識させることで、NKT細胞が飛躍的に増殖・活性化できるという点がわかり、NKT細胞を利用した免疫細胞療法への応用が可能となってきました。
「がん免疫細胞治療」の受診の流れは?
「がん免疫細胞治療」の受診の流れは以下の通りです。

1.治療説明と医療相談

当医院の専門コーディネーターが事前にご相談を承ります。ホームページの「お問い合わせ」コーナーよりご相談ください。
海外の患者様の場合、当医院と医療連携している海外の医療機関にて、まず、医師にご相談ください。(※医療連携している医療機関はお問合せください)

2.患者様に合わせた治療プランの作成、治療同意

患者様の全身状態を考慮したうえで、無理のない治療計画が立てられます。患者様およびご家族の都合をお伺いしながらプランやスケジュールを作り、より効果的に治療を行っています。
ご費用の提示も行い、治療同意をいただきます。

3.治療

本院で末梢静脈より採血させて頂き、1~2週間後、また本院で静脈に戻すだけです。
採血した血液をプロセスセンターに送りそれぞれの工程に入ります。 プロセスセンターでの工程を要約すると、単核細胞を血液から分離し、その中のリンパ球をフラスコ中で活性化し、培養バッグ中で数を増やし、生理食塩水で洗浄浮遊させます。そして活性化され増量されたリンパ球をクリニックで静脈に戻します。(海外の患者様の場合、病状や来日日程によります)。

4.検査や治療の評価

画像検査や血液検査の結果をもとに治療の評価をしていきます。多くの場合は、すでにこれらの検査を行っている場合が多く、過剰な検査を防ぐために、医師が特別に必要と認めた場合以外には新たな検査は行っておりません。(別途ご希望により手配も可能です)
必須ではありませんが、多角的な視点からの治療評価のために、オプションで遺伝子検査等も行うことができます。

検査メニューについて

検査メニューについて
当院では、がん遺伝子治療、免疫細胞療法の他、以下の診察や検査をご用意しております。
  • ・セカンドオピニオン
  • ・感染症検査〈採血〉
  • ・免疫機能検査〈採血〉
  • ・大腸がんリスク検査〈採血〉
  • ・痛風リスク検査〈採血〉
  • ・HLA検査〈粘膜〉
  • ・血中DNA断片検査〈採血〉 =調整中=
  • ・テロメアテスト〈採血〉=調整中=
  • ・PET(提携検査機関)=調整中=